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炭化水素系洗浄剤を使用した多槽式真空洗浄乾燥機    アクアテック代表取締役 堂元 雅洋

   
 オゾン層破壊によるフロン、トリクロロエタンの全廃、および塩化メチレン、トリクレンなど塩素系溶剤の規制さらに地球温暖化対応など、その代替策が全世界的に必要とされている。
 その対応策として当社は、炭化水素系洗浄剤を使用した、真空洗浄乾燥機を開発し現在、普及の真っ最中であり、国内外数多くの実績を付けてきている。
 その中で注目すべきは、多槽式真空洗浄乾燥機である(写真1〜写真5参照)。
 真空洗浄機のなかには、1槽で洗浄から乾燥まで行なう1サイクル方式と、洗浄槽および乾燥槽を複数組み合わせた多槽式とがある。当社はその多槽式真空洗浄乾燥機をもっとも得意としており、実績がもっとも多い。それは一口で言えば、どんなワークに対しても、さらにどんな生産量に対しても柔軟に的確に対応でき、目的を達成できるからである。
 その特長を以下に述べたい(図1参照)。

多槽式真空洗浄乾燥機の特徴

1)目的はフロン、トリクロロエタンおよび塩化メチレン、トリクレンなどの代替であり、さらに水洗浄からの代替でもある。
2)環境に問題ある、酸、アルカリを使用しない。このため排水処理装置が必要ない。
3)本装置は、洗浄から乾燥までのすべての工程が真空である。このため、完全クローズド化が実現した。
4)洗浄液も多段式真空蒸留再生機で連続蒸留して再利用している。
5)乾燥にて蒸発した洗浄剤も、回収タンク併設により全量回収リサイクルしている。
6)排気も排気回収槽を装備していて、これで回収しており、排気温度は水温の30℃以下である。
7)洗浄で除去した油分も煮詰め、濃縮して取り出す。このため廃液量が従来溶剤比、1/10以下となった。
8)真空中で洗浄することで、超音波のキャビテーションが最大限発揮され、洗浄性が大幅にアップした。特に止まり穴、袋穴のあるワークに対して効果大である(表1、表2参照)。

表1 止まり穴ワークにおける洗浄前後の残留油分分析データ
試料名
ノルマルヘキサン抽出物質(mg/5本)
真空洗浄立て治具洗浄(600秒)
真空洗浄横置き洗浄(600秒)
有機溶剤(トリクレン)
水洗浄
洗浄前
0.1以下
0.1以下
5.4
8.0
11.7
表2 洗浄前後の残留油分分析データ
試料名
ノルマルヘキサン抽出物質(mg/2本)

真空洗浄 360秒
真空洗浄 180秒
  〃    〃  2段(下段)
  〃    〃  〃 (上段)
  〃    90秒
トリクレン洗浄後

洗浄前

0.1以下
0.1以下
0.1以下
0.1以下
0.1以下
1.1
45.0

写真1) 真空2槽式全自動洗浄乾燥機 写真2)真空3槽式全自動 写真3)真空4槽式全自動
     
 
写真4)真空5槽式全自動 写真5)真空6槽全自動  

 

▲図1:真空洗浄乾燥機図

 

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